みなさんこんにちは。それでは、今回も平成31年(2019)年2月24日第54回理学療法士国家試験の午前の問題を解いていきましょう。
目次
- 平成31年(2019)年2月24日第54回理学療法士国家試験午前37問目
- 午前 37問目 解説
- NYHA心機能分類
- 平成31年(2019)年2月24日第54回理学療法士国家試験午前38問目
- 午前 38問目 解説
- 胸骨圧迫
- AED使用法
- 人工呼吸
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平成31年(2019)年2月24日第54回理学療法士国家試験午前37問目
午前37問目
NYHA分類で正しいのはどれか。
1.5段階分類である。
2.自覚症状により重症度を分類する。
3.Ⅰ度では心疾患を有し、日常生活で疲労、呼吸困難がある。
4.Ⅱ度では日常生活以下の労作で疲労、呼吸困難がある。
5.Ⅳ度では安静時に心不全症状はみられない。
午前 37問目 解説
NYHA(New York Heart Association)の心機能分類の問題です。この問題も難しいですね。まずNYHAを見てみましょう。
NYHA心機能分類
Ⅰ度
心疾患を有するが、そのために身体活動が制限されることがない患者。
通常の活動では疲労・動悸・呼吸困難・狭心症はきたさない。(7Mets以上可能)
Ⅱ度
心疾患を有し、そのために身体活動が軽度から中等度制限される患者。
安静時無症状。通常の活動で疲労・動悸・呼吸困難・狭心症状をきたす(5~7Mets)
Ⅲ度
心疾患を有し、そのために身体活動が高度に制限される患者。
安静時無症状であるが、通常以下の身体活動で疲労・動悸・呼吸困難・狭心症状を来す。(2~5Mets)
Ⅳ度
心疾患を有し、そのために非常に軽度の身体活動でも愁訴をきたす患者。
安静時においても心不全あるいは狭心症状を示すことがある。
少しの身体活動でも愁訴が増加する。(2Mets未満)
上記を踏まえ、問題を見ていきましょう。
1の5段階分類であるは、NYHAは4段階の分類であるため、不正解。
2の自覚症状により重症度を分類するは、この問題の正解。
3のⅠ度では心疾患を有し、日常生活で疲労、呼吸困難があるは、Ⅰ度では心疾患を有するが、そのために身体活動が制限されることがない患者とあるため、不正解。
4のⅡ度では日常生活以下の労作で疲労、呼吸困難があるは、通常の活動で疲労・動悸・呼吸困難・狭心症状をきたすとあるため、不正解。
5のⅣ度では安静時に心不全症状はみられないは、安静時においても心不全あるいは狭心症状を示すことがあるとあるため、不正解。
この問題も難しい問題という印象を受けました。NYHAでは心不全の重症度を評価することが出来ます。覚えておきましょう。
では、次の問題にいってみましょう。
平成31年(2019)年2月24日第54回理学療法士国家試験午前38問目
午前38問目
成人に対する一次救命処置で正しいのはどれか。
1.胸骨圧迫は1分間に100~120回のテンポで行う。
2.胸骨圧迫は胸骨が1cm程度沈む強さで圧迫する。
3.AEDによる電気ショック後には胸骨圧迫を行わない。
4.人工呼吸(口対口呼吸)の吹込みは続けて10回以上行う。
5.胸骨圧迫をしながらAEDによる電気ショックを与える。
午前 38問目 解説
胸骨圧迫
胸骨圧迫の押す深さは胸が約5cm沈むように圧迫し、6cmを超えない。(小児や乳児は胸の約1/3の深さ)
テンポは1分間に100~120回。
圧迫したら毎回胸をもとの位置に戻す。
AEDを使う際など胸骨圧迫を中断する際は、中断を10秒以下にする。心肺蘇生を行っている時間の6割は胸骨圧迫の時間となるようにする。
周りの方としっかりと押せているかテンポは良いか確認しあう。
胸骨圧迫は体力を使うため交代しながら行う。
AED使用法
AEDの電源を入れます。
音声の指示が始まります。
右胸と左わき腹に電極パッドを貼り付けます。
AEDが「心電図を解析しています。触れないでください」と音声ガイダンスが流れたら胸骨圧迫を中断します。電気ショックが必要かどうかAEDの機械が判断します。
電気ショックが必要な場合、「ショックが必要です。ショックボタンを押してください。」と音声が流れたら自分や周りの人が感電しないように患者様からしっかりと離れ、電気ショックのボタンを押します。
AEDの電気ショックを行った後、または電気ショックが不要とアナウンスされた後、すぐに胸骨圧迫を再開する。
意識を取り戻した場合は、胸骨圧迫は中止します。
人工呼吸
人工呼吸は、その意志と技術がある場合には、行うことが推奨されています。
30回の胸骨圧迫の後、人工呼吸を2回行います。
それでは、問題を見ていきましょう。
1の胸骨圧迫は1分間に100~120回のテンポで行うは、テンポは1分間に100~120回とあるので、この問題の正解です。
2の胸骨圧迫は胸骨が1cm程度沈む強さで圧迫するは、胸骨圧迫の押す深さは胸が約5cm沈むように圧迫し、6cmを超えないとあるので、この問題の不正解です。
3のAEDによる電気ショック後には胸骨圧迫を行わないは、AEDの電気ショックを行った後、または電気ショックが不要とアナウンスされた後、すぐに胸骨圧迫を再開するとあるため、この問題の不正解です。
4の人工呼吸(口対口呼吸)の吹込みは続けて10回以上行うは、30回の胸骨圧迫の後、人工呼吸を2回行いますとあるため、この問題の不正解です。
5の胸骨圧迫をしながらAEDによる電気ショックを与えるは、感電しないように患者様からしっかりと離れ、電気ショックのボタンを押しますとあるため、この問題の不正解です。
では、次回も勉強を進めていきましょう。
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