みなさんこんにちは。
今回も前回に続き、平成31年(2019)年2月24日(日)第54回理学療法士国家試験午前の問題を解いてみよう。
目次
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第54回理学療法士国家試験 午前 21問
午前21問目
治療についてのインフォームドコンセントで適切なのはどれか。
1. 治療者は専門用語で説明する。
2. 患者の同意内容は文書で保存する。
3. 治療者は患者の要求があってから説明する。
4. 判断能力に関わらず、患者の決定が優先される。
5. 患者は正当な理由がなければ同意を撤回できない。
午前 21問目 解説
この問題は、落ち着いて考えればよい問題だね。インフォームドコンセントとは、「十分な情報を得た上での合意」ということを知っていればできる問題だね。治療者だけでなく患者様にも十分に理解していただくことが重要だね。
1、治療者は専門用語で患者様に説明すると専門用語は非常に難しい場合がある。患者様にはよく理解できない場合があるのでわかりやすい言葉で説明することが大切だと思われるよ。つまり適切ではない。
2、患者の同意内容は文書で保存する。これが正しいね。正解。
3、治療者は患者の要求があってから説明する。これでは遅いね。
4、判断能力に関わらず、患者の決定が優先される。患者様の決定は重要だけれど判断能力が必要だね。つまり適切ではない。
5、患者は正当な理由がなければ同意を撤回できない。インフォームドコンセントは一旦同意をした後でも撤回することができます。つまり適切ではない。
では続いての問題を解いてみよう。
第54回理学療法士国家試験 午前 23問目
午前23問目
固定負荷試験にて行う運動負荷試験はどれか。
1.Bruce法
2.ランプ負荷法
3.6分間歩行テスト
4.マスターシングルテスト
5.シャトルウォーキングテスト
午前 23問目 解説
この問題は難しい問題だね。この問題は固定負荷試験という意味が分かればという問題。固定負荷法とは一定強度の運動を一定時間負荷する方法でその方法がどれかということ。
1.のBruce法は、トレッドミル運動負荷試験であれば多段階漸増式の負荷であるとのこと。速度と傾斜を変えることにより負荷量を漸増する。一定強度の運動を一定時間負荷する方法ではない。つまり適切でない。
2.のランプ負荷法は、数秒から1分以内で負荷強度を少しづつ増やすことによりほぼ直線的に負荷強度を増加させる方法のため、一定の強度ではないね。つまり適切でない。
3.6分間歩行テストは、持久力評価試験、運動耐容能の評価として行われます。COPDの患者様や間質性肺炎の患者様の評価でおこなったりするよ。6分間平地歩行を行いどのくらいの距離を歩けるか測定します。疲労や息切れなどでは本人の意思で休憩したり速度を落としたり調整することができます。一定の強度ではないね。つまり適切ではない。
4.のマスターシングルテストは、主に狭心症、不整脈などの診断に用いられます。2段の階段をマスターシングルテストだと1分30秒、マスターダブルテストだと3分昇降します。年齢、性別に応じた速度で階段を上り下りします。一定強度の運動を一定時間行うことになるね。このテストが固定負荷試験。つまり正解。
5.のシャトルウォーキングテストは、COPDの患者様を対象に開発された運動負荷試験である。9m離しておいたコーンを(片道10m)一定時間で歩いて回っていただき、その時間間隔を次第に狭めていくテスト。時間がどんどん短くなっていくから一定強度ではないね。つまり適切ではない。
非常に難しい問題でした。では続いての問題。
第54回理学療法士国家試験 午前 92問目
午前92問目
慢性閉塞性肺疾患患者に推奨されないのはどれか。
1.低脂肪食
2.在宅酸素療法
3.上肢の筋力トレーニング
4.下肢の筋力トレーニング
5.インフルエンザワクチン接種
午前 92問目 解説
この問題は、COPD患者様が呼吸に伴うエネルギー消費量が多く、栄養障害に陥りやすいということを理解しているか。そのため、高カロリー食による栄養療法が有効であるということを知っているかが問われている。
1.の低脂肪食は、上記のことから推奨されていない。この問いは推奨されていない選択肢を答える問題、つまり正解。
2.の在宅酸素療法は、COPDの患者様の訪問リハビリに伺うとわかると思うのだけれど家で酸素を吸入しながら生活されている方もいらっしゃります。つまり推奨されています。在宅酸素療法は英語でHome Oxygen Therapy 頭文字をとってHOTと呼ばれています。HOTを行うことで、自宅での生活や社会生活が行うことができます。患者様の息切れが改善し、生活の質が向上します。
3.の上肢の筋力トレーニングは、手を使う動作がスムーズになり、息切れが軽減する効果を狙ったものです。つまり推奨されている。
4.の下肢の筋力トレーニングは、歩行等、基本動作など使う筋力なので、息切れが軽減する効果を狙ったものです。つまり推奨されている。
5.のインフルエンザワクチン接種は、COPD患者様は感染症が重篤化しやすく、COPDの増悪原因となることから、ワクチンの接種が重要となっている。つまり推奨されています。
今回はここまで。今回難しい問題があったね。次回も問題を解いていこう。
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